Япония: цивилизация, культура, язык 2022

ЯПОНИЯ: цивилизация, культура, язык 2022 674 中に囚われた文子の生は、文子にとっては自由を束縛さ れた「生きている」とは言い難いものであったに違いな いからだ。それは獄中で文子が残した短歌が物語ってい る 12 。 手足まで不自由なりとも死ぬといふ只意志あらば死 は自由なりさりながら手足からげて尚死なばそは 「俺たちの過失ではない」殺しつつなほ責任をのが れんともがく姿ぞ惨めなるかな革手錠はた暗室に飯 の虫只の一つも嘘は書かねど在ることを只在るがま まに書きぬるをグズグズぬかす獄の役人言はぬのが そんなにお気に召さぬならなぜに事実を消しさらざ るや狂人を縄でからげて病室にぶち込むことを保護 と言ふなり こうした歌の数々から伺い知ることができるのは、文 子の獄中生活に垣間見える官憲の暴力、虐待である。そ れは文子の自我を傷めつけるものであり、それに忍従す ることは文子にとって生きるに値しない生の在り方だっ たのである。そうした生を生きることよりも、自ら命を 絶つことで自我を守ろうとした文子。彼女の選択にアル ツィバーシェフの与えた影響は否定できない。金子文子 だけでなく、大正期のアナーキスト、ニヒリストたちに アルツィバーシェフの与えた影響を再検討する必要があ ろう。 12 注9の pp.267-268

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