Япония: цивилизация, культура, язык 2024
ЯПОНИЯ: цивилизация, культура, язык 2024 52 す場合、作文の文字列を 2 次元や 3 次元の1つのまとまっ た物と捉えず、文字列の線的な形状や読み書きの所要時 間に焦点を当て 1 次元のものと捉えるため、日本語で作文 は大きいか小さいかではなく、長いか短いか、と判断さ れるのである。「大きい作文」という共起表現の日本語と しての不自然さの説明は、このような何に焦点を当てど う捉えるかが言語間によって違うことに留意させること が鍵である。 以上のように、日本語で「大きい」と言えるかどうか は、一方で視覚による捉え方が大きく関係しており、そ のために、認知主体がどこからどう言及対象を見るかと いう視点によって次元形容詞「大きい」「広い」の使い分 けの指導が必要であることがわかった。他方で、同じ視 点から対象物を視覚で捉えることができても、言及対象 の何を前景化するかによって共起表現が異なることを確 認し、「長い作文」が日本語として自然である理由の説明 を試みた。 森田が述べているように、全く「やさしいと思われる 基礎語ほどむずかしい、というのは、真実である」 38 。こ のような認知言語学的アプローチによる言語間の基本義 のずれや言及対象の捉え方の違いに関する気づきの積み 重ねは、語彙のみならず文法、文章、談話レベルにおけ る「日本語らしさ」の習得に繋がると考える。 参考文献 1. 尾野治彦『「視点」の違いから見る日英語の表現と文化 の比較』東京 : 開拓社 , 2018, 207 p. 2. 池上嘉彦「日本語話者における < 好まれる言い回し > として の < 主観的把握 > 」『人工知能学会誌』 26, No.4. 東京 : オーム社 , 2011. P.317-322. 38 森田良行前掲(注 30 ) P.1.
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