Япония: цивилизация, культура, язык 2024
ЯПОНИЯ: цивилизация, культура, язык 2024 204 生だったリトアニア出身のポーランド人、ブロニスワフ は革命運動に関わったためにサハリンで開拓労働に 15 年、 その後、流刑入植者として 10 年島内の決められた地に住 まなければならなかった。ブロニスワフは、極寒の地の 過酷な生活の中で先住民のギリヤークと知り合い、彼等 に生きる「熱」を感じる。そして、彼らの言葉や風習を 学び、論文を発表、学会に認められ博物館の資料管理人 となる。その展示品を収集する過程でアイヌのヤヨマネ クフらと知り合う。ブロニスワフはロシア語が解らない ためにロシア人に搾取されているアイヌの現状を知り、 識字の重要性を考えて寄宿学校を作って子どもたちの教 育に尽力する。ブロニスワフは身の回りの世話をしてく れたチュフサンマと結ばれ男の子が生まれるが、日露戦 争が勃発。ロシアの敗戦により、ブロニスワフは再び帝 政の打倒とポーランドの独立運動のための情熱を掻き立 てられ、妻子を置いて帰国する。そして、パリで非業の 死を遂げる。一方、ヤヨマネフクは山辺安之助と称し、 アイヌの存在を示すために南極探検隊に犬ぞりを率いて 参加する。それは生きていることの「熱」を感じさせた。 この小説の序章には、民俗学を学ぶロシア人女子学生 が録音されたトンコリ 8 の音と歌声、そしてサハリンアイ ヌの「私たちは滅びゆく民と言われることがあります。」 という声を聞く場面がある。そして、終章では、彼女が 女性兵士として対独戦に参戦した後、第二次世界大戦が 終わったはずのサハリンで日本軍の捕虜となるが、かつ て聴いたトンコリの音がきっかけで奏者のイベカラと知 り合う。ブロニスワフの録音した声が 40 年後に敵味方を 超えて二人を引き合わせたのだ。戦いがまだ続く中で 8 アイヌに伝わる伝統的弦楽器。 5 本の弦が多い。
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