Япония: цивилизация, культура, язык 2024

ЯПОНИЯ: цивилизация, культура, язык 2024 202 Повесть Кавагоэ Сюити «Источник тепла», перевернувшая образ Сахалина サハリン・イメージを覆した川越宗一の小説『熱源』 (Ясумото Такако 安元隆子 ) 1.日本文学におけるサハリン(樺太)・イメージ 1890 年、アントン・チェーホフ ( Антон Павлович Чехов , 1860-1904 ) は、当時は流刑囚の島であったサハリンに惹か れ、まるで自分自身を流刑するようにかの島を訪れた。 『サハリン島』 ( Остров Сахалин, 1895 ) はその旅行記であ る。地理、歴史、民俗学など様々な観点からサハリンにつ いて綴っているが、印象的なのはやはり流刑囚の置かれた 悲惨な状況である。川村湊はこれを「流刑地文学」と呼 んでいる 1 。日本文学にもロシア人流亡者の悲劇を描いた 寒川光太郎の『流刑囚』 2 や『露囚物語』 3 がある。しかし、 サハリンの文学は流刑の地というイメージだけでなく、日本 人、ロシア人、北方少数民族が混住、共生する「複数民 族の文学」でもあったことを川村湊は指摘している 4 。 その多民族社会には、北上した日本人と南下するロシ ア人との間に挟まれ、序列化され差別化された少数民族 たちの姿があった。本来遊牧生活を送っていたオロッコ やギリヤークの人々は樺太庁の政策によって定住を余儀 なくされ、季節ごとの狩猟や漁撈という民族固有の生活 1 川村湊。昭和文学とアジア「樺太」、「樺太文学論」『昭和文学研究』 25 号、 1992 年、 p.166. 2 小山書店、 1940 年 . 3 ぷやら新書刊行会、 1968 年 . 4 注 1 と同じ、 p.166 。昭和十年代は日本近代文学中に「樺太」という植 民地が登場してきた時期であり、その嚆矢は、ロシア人の血を引く姉 と父違いの日本人の弟との民族間と血族間の複雑な愛憎を描いた宮内 寒弥の『中央高地』 ( 『早稲田文学』 1935 年 8 月 ) だと指摘している。

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